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労働市場の不完全性が原因で起こる失業は、摩擦的失業と呼ばれる。 その原因としては、労働組合がストライキなどによって賃金を高水準に保っているから、企業は需給状況に応じて賃金をこまめに変えることができないから、需給量や価格に関する情報がうまく伝わらず、仕事はあるのに需要と供給のミスマッチが起こるから、などの理由があげられる。
このような考え方によって失業を説明する経済学者のグループは、ニュー.ケインジアンと呼ばれている。 ニュー.ケインジアンの考え方の一例として、効率性賃金仮説に基づく失業について紹介しておこう。
効率性賃金仮説とは、労働者の勤労意欲が賃金水準に直接依存しており、同じ時間働くにしても、高い賃金をもらうほど一生懸命働き、賃金が低くなればあまり働かないという仮説である。 事実であれば、企業にとっては自分の職場の労働者に、ある程度高い賃金を支払うことによって、一生懸命働いてもらおうとするであろう。

一方、雇われずに失業している人たちは、賃金がもっと安くてもいいから是非働きたいと企業にいってくる。 この労働者もいったん雇用されれば、高い賃金を受け取るほどよく働くため、高い賃金を払わざるを得ないということを、企業は知っている。
そのため、企業はその人を雇うことはなく、企業では高賃金が維持されたまま、巷には失業者が存在することになる。 このように〈供給側〉の考え方では、表面的には失業者がいても、すべて彼らが自主的に失業を選択するか、すでに雇用されている労働者.労働組合や企業側の不完全競争的要因によって、労働市場の需給を一致させる賃金が成立しないためであるとしている。
ようするに失業とは、企業や労働組合、あるいは個の労働者という、物を供給する側の要因で起こると考えているのである。 したがって、たとえニュー.ケインジアンという名前が付けられてはいても、実は経済全体の需要が不足するために雇用機会が失われる(非自発的失業)と考えるKインズ自身の意図とは、かけ離れたものになっている。
失業の原因が以上に述べたようなものであれば、解消するには構造改革が必要となる。 そのためには、職業安定所の機能を充実させた、労働組合による賃金固定化を防ぐことを考えるのがよい。
現在のような不況期の深刻かつ大幅な失業が、企業が賃金を高く設定し過ぎるから、就職情報が不足しているから、職に就かない方が楽だからといった理由で、十分に説明されるとは到底思えない。

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